鎌倉霊園には、金沢から鎌倉に至る白山古道も眠っている。
白山古道は、関東学院大学の辺りまでは残されているようだ。
鎌倉寄りの古道は失われてしまった。
白山古道は鎌倉霊園となった泉ヶ谷を経て天園へ、あるいは今はなき尾根を経て南下し、十二所神社の横に出てくる。
十二所神社のすぐ横に遺されている急峻な石段状の小路がそれであろう。
落葉の季節は滑る。
何度ころびそうになったろうか。
十二所神社背後の山を越えると突然白い空間が目に飛び込んでくる。
鎌倉霊園だ。
霊園の脇を歩くより、番場ヶ谷の沢を遡上し、天園への古道に出たほうが、はるかに楽しめる。
水流による自然の浸食によって山際が深くえぐられているところもある。
紅葉の時期は特にいいだろうが、沢沿いの古道も歩く人が少なく藪化が進んでいる。
何しろ湿地が続いているため、ハイキングには不向きと思われているのであろうか。